原題:DER UNTERGANG
DOWNFALL
ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション
<前置き>
サラリーマンをやってれば、”いかに相手を説得するか”のために
「プレゼンテーション講座」などの研修を受けさせられる機会もある
ことと思います。
チョウも、青森出身の純情で朴訥な青年らしく、クチが下手なので、
何回か受講させられました。
プレゼンテーションがうまくなるコツには「早口にならない」や
「アイコンタクト」等、色々なコツがあるみたいですが、その一つに、
"話のうまい人の話を見る(聞く)"ことがあるそうです。
チョウが聞いていて、「この人の話は分かり易いなぁ」と感心させら
れるのは、例えば 永 六輔であり、例えば さだまさしです。
彼らのCD等を聞いてると、「なるほど、こういう風に話すと分かり
易いのか」と、何度となく感心させられます。
さて、ここに20世紀で最高に"話のうまい人"がいます。
ヒトラーさんです(爆)
なんせあれだけ大勢の人を口車に乗せてしまったんですから、その
演説は たいそう上手だったことでしょう。
ところが、いざ、ヒトラーさんの演説を聞こうと思っても、チョウの
調査不足のせいでしょうか?なかなかうまく手に入りません。
例えば、IVCの「
我が闘争」なんて、2時間ものドキュメンタリーで
ありながら、肝心のヒトラーの演説は5分も収録されていません。
角川文庫の「
わが闘争」は、ヒトラー嫌いな平野 一郎氏が翻訳したの
で(そんなに嫌いだったら、翻訳なんかすんなよ)、しかもこの人
日本語が不自由らしく、読んでいて はなはだ読み難い。
まるで、わざと分かり難い様に、分かり難い様に、書いているとしか
思えません。
児島襄の「ヒトラーの戦い」も、日本語が下手。
「わが闘争」の中に「歴史教育とは、日付や事件をただ闇雲に暗記する
ことではなく、今我々の目に見えている現実が、過去に実際にあった
事件がきっかけとなって、ここに至っている という流れや力を理解
させることだ」という記述がありますが、ここにあげた翻訳者の方々も、
少しは見習って、分かり易い文体で書いて欲しいものです。
<情報求む>
ヒトラーの演説シーンが収録されたDVDをご存知の方は、ぜひ教えて
下さいませ。
それにしても、なぜこぅもヒトラーに関する資料は入手しにくいので
しょう?
もしかして、「ヒトラー」というだけで、"とにかく極悪人"、"根っか
らの悪魔"と、頭っから拒絶してしまって、闇雲に遠ざけようとしてい
るのではないでしょうか。
物事を理解する時大事なのが、”知ること”だとしたら、ヒトラーに
ついては、”知ることすら拒否している”と思わざるを得ません。
かつて村上龍は「ドイツはヒトラーが潜んでいた地下壕の真上にまで
敵に蹂躙されても戦い抜いたのに、日本は本土に一兵も上陸していな
いにもかかわらず、沖縄を見捨ててあっさり降伏してしまった。」と
書きました。
つまり、この瞬間、戦後日本人の"負け犬根性"が決定された訳ですが、
チョウは、一度 そのドイツの堂々たる負けっぷりを見てみたいものだ
と思っていました。
<チョウの勝手な感想>
1)う〜ん、すげぃ
ヒトラーが地下要塞にこもってからの12日間なのですから、大観衆
を前に演説しているシーンなんか、チラとも出てこないのが残念で
すが、それでも、作戦会議での説得力や、ヒトラーの気配りの細や
かさを見ることができて、とても参考になります。
歴史フィルムと言えば、たいていはボケてて、動きがベコベコ
ギクシャクしたものですが、アメリカ盤の高画質・高音質っぷりは、
最近の画質で当時のヒトラーを見ることが出来た と感動すら覚え
ます。
2)チョウはスーツが好きで、デザインよりも 生地の良し悪しを重視
するのですが、ヒトラーの着ているスーツの生地が えらい上等な点
が印象深かったです。
さらに目を奪われたのが、シュペーアが着ている皮のトレンチ・
コート。これは素晴らしい出来栄えです。う〜ん、欲しい。
この映画、ドイツとイタリアの共同製作らしいので、衣装にも凝っ
たのでしょうか?
(ドイツ、イタリアと来て、なんで日本が のけ者になっとんねん)
3)ところで、人物の紹介がエンドロールにしか出てこないので、誰が
誰やら?全然判らないのですが(苦笑)、ドイツの方々は、まったく
紹介無しで、これらの人々の区別が付くんでしょうか?
「このタイミングで裏切るのは、ヒムラーだな」とか「この時点で
銃殺されるのはヒムラーの副官で、エヴァの義弟フェーゲラインだな」
とか全部覚えてるのでしょうか?
ちょこっと調べてみると、
ヒムラーにしろ
ゲッベルスにしろ、
実在の人物と似た役者さんを使っているので、それで見分けが付くの
かも知れません(日本で言うところの、総髪を後ろで縛って懐手して
ると、誰だって竜馬に見えてしまうのと同じか?)
4)この映画を見ていると、当時の(?)ドイツ人が、「忠誠」をとても
大事なものと考えていた様に思えます。
ヒトラーそのものよりも、"彼に忠誠を誓った自分自身"に嘘を付き
たくなくて、猛進したのでは と思ってしまいます。
ある意味「ラストサムライ」の様な"忠節"を感じるところが幾つも
ありました。特にゲッベルス夫婦の"忠誠心"には思わず涙が
そのゲッベルスが、(追い詰められた国民のことを)
「同情しないね。彼らが選んだ運命だ。驚く者もいようが、我々は
国民に強制してはいない。彼らが我々に委ねたのだ。自業自得さ」
というセリフを言う場面がありますが、これは今の日本にも当ては
まる様な気がしてなりません。
5)日本盤は、ファロージャDV-1000で再生出来なかったので、断念。
あきらめてDV-S9ベルテック改で見始めるが、dts音声だと途中で
ブチっと切れる。しょうがないから、DD音声で視聴。
本来ならドイツ盤と比較するべきでしょうが、ドイツ盤はPAL盤ら
しく、チョウ家では再生出来ないので、アメリカ盤と比較。
同一プレイヤーでの比較ではないので、明確には言えないのですが、
アメリカ盤の方が、画質・音質とも良いです。
日本盤 悪星3つな★★★
6)それにしても羨ましいのは、ドイツではこうやって戦時を真摯に
見つめる作品が作れること。
日本で作ると、また「平和は大切だぁ」とか「命は地球より重い」
みたいな プチ左翼な映画しか作れないんだろうなぁ(情けない)
露助に
こんな映画作られている場合とちゃうぞ。
せめて津川雅彦の「プライド」をDVDでリリースしてくりぃ(懇願)